娘の「夏休み楽しみランキング」、1位はお父さんもお母さんもいない3日間だった

育てる日々

休みの日だった。
特別なことは何もしてないのに、気づいたら夏の予定がどんどん決まっていった、そんな1日。

予定を決めてるだけなのに、なんだか幸せだった。
そういう日の話です。

朝の作戦会議 — 富山、行くか

朝、奥さんとコーヒーを飲みながら相談。

今月末、俺の連休と、メグの合宿がちょうど重なる。
メグは千葉に2泊3日。ということは、その間、家は大人とリョウだけ。

で、前から気になってたことがあった。
富山に、母方のばあちゃんがいる。遠いのと、子ども2人連れの移動がなかなか大変なのとで、しばらく顔を見せられてない。

「メグが合宿の間、俺ひとりで富山行ってこようかな」

って言ったら、返ってきたのは即答だった。

「私も行きたい」

そうだよな。
ばあちゃんにはなかなか会えてないし、行くなら家族で会いに行きたいよな。
じゃあリョウも連れて、3人で行くか。

ものの10分で決まった。家族会議って、まとまるときは一瞬だ。

旅行そのものももちろん楽しみなんだけど、「どうする?」「じゃあこうしよう」って予定を決めてるこの時間が、たぶんもう思い出の一部なんだと思う。
ばあちゃん、リョウの顔見たら喜ぶだろうな。

水着、120から140へ

午後はメグとお出かけ。

もともとメグは千葉の清水公園に行きたがってたんだけど、この気温で外遊びはさすがに危ない。
「プールは?」って聞いたら「プール行きたい!」と即答だったので、近いうちに近所の市民プールに行くことになった。

で、去年の水着を引っ張り出したら——小さい。全然小さい。
去年は120だったのが、今年は140。

……120って。
ついこの間まで着てたはずなんだけどな。

近所のショッピングセンターで、新しい水着とゴーグルを買った。
服でも靴でもそうなんだけど、買い替えるたびに思う。子どもの成長って、油断してると一気に来る。
レジで水着を受け取りながら、嬉しいのに、ちょっとだけ置いていかれるような気持ちになった。

月イチの2人ごはん、魚べいにて

夜は、月イチの恒例行事。

うちには「月に1回、親と子が2人だけでごはんに行く日」っていうのがある。
奥さんとメグの回もあれば、俺とメグの回もある。1対1だと、家族4人でいるときとは話すことが変わるんだよな。だからこの時間は、お互いけっこう大事にしてる。

今日は俺の番。行き先は、近所の魚べい。

これがね、びっくりした。
100円のお寿司が多いのに、ちゃんとうまい。季節限定のネタ、チダイ、まぐろの盛り合わせ。フライドポテトもデザートもある。

俺が8〜9皿、メグが7皿くらい食べて、しめて1,900円ほど。
ファミレスだと2人で軽く2,000円は超えてくるから、それより安くて、腹いっぱいで、クオリティも高い。

魚べい、人気なのも納得です。大満足。

夏休み楽しみランキング、発表

うちでは寝る前に「今日あった良かったこと3つ」を言い合うのをずっとやってて、そこから派生して、メグはランキング形式の話が大好きだ。
好きな教科ランキングとか、好きな食べ物ランキングとか。

で、寿司をつまみながら聞いてみた。

「もうすぐ夏休みじゃん。楽しみなことランキング、聞かせてよ」

メグ、「どうしても4位まで言いたい」とのこと。全然いいよ。

第4位。お父さんと行く市民プール。
さっき一緒に水着を買ったやつがランクイン。正直、ちょっと嬉しい。

第3位。ダンスの発表会。
メグは今ダンスを習ってて、夏に発表会がある。毎週コツコツ練習してるから、本番が待ち遠しいらしい。

第2位。蔵王の別荘。
亡くなったじいちゃんが持ってた別荘を、うちの親父が引き継いでくれて、毎年夏と冬に4泊5日で行かせてもらってる。自然の中でのんびりする、わが家の恒例行事。これは俺も毎年楽しみにしてる。

そして第1位。

花まる学習会の合宿、「港町大作戦」。

年長のときから毎年行ってる、2泊3日の合宿だ。
知らない子たちと同じ班になって、キャンプファイヤーやって、今年は港町を舞台にいろんな活動をするらしい。

花まる学習会っていうのは、「メシが食える大人に育てる」を理念にしてる塾だ。1993年からやっていて、教室の勉強は思考力と国語力が軸。それにもうひとつの柱が野外体験で、サマースクールみたいな野外の企画に、年間1万人規模の子どもたちを連れて行ってるらしい。

うちが通わせてる理由も、正直こっちが大きい。
知らない子同士で班を組んで、自分の頭で考えて、3日間やりきって帰ってくる。教室じゃ育たないものを、育てに行く合宿。

港町のキャンプファイヤーを囲む子どもたちのイラスト
知らない子たちと、3日間。

創設者の高濱さんはYouTubeにもよく出てる方で、俺もときどき観ては、うなずいたり、ちょっと反省したりしてる。
メグが迷わず1位に選んだ理由も、なんとなく分かる気がした。

1位は、親のいない3日間

帰り道、ふと気づいた。

メグの楽しみ1位は、お父さんもお母さんもいない3日間なんだよな。

知らない子たちの中に飛び込んで、自分で3日間やってくる。
それが一番楽しみだって、7皿食べながら言うわけよ。

面白いのはさ、親が「これは喜ぶだろう」と思ってることと、子ども本人が楽しみにしてることって、意外とズレてるんだよな。
だからこのランキング、聞くたびに発見がある。

頼もしいなあ、と思う。
思うんだけど、120の水着が140になったのと同じで、ちょっとだけ、胸のどこかがすんとする。

まあでも、いいんだ。
メグが千葉で大作戦をやってる間、こっちはこっちで、リョウを連れて富山のばあちゃんに会いに行く。

夫婦で夏の予定を決めて、娘と水着を買って、一緒に寿司を食って、夏休みの話をする。
書き出してみると、ほんとにそれだけの1日なんだけど。

それぞれの夏が、それぞれの場所で始まる。
そういう夏休みも、悪くない。

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