「港町大作戦で、いちばん楽しかったことは?」
2泊3日のサマースクールから帰ってきた娘・メグに聞いてみた。
正直、俺は予想していた。海で遊んだことかな。班のみんなとの活動かな。何か特別な体験があったのかな。
でも、返ってきた答えは違った。
「お買い物!」
……え?
2泊3日の合宿で? 港町まで行って? いちばん楽しかったのが、お買い物?
思わず笑ってしまった。
でも、話を聞いているうちに分かった。それはただの買い物じゃなかった。娘が自分で悩んで、自分で選んだ、小さな宝物を手に入れる時間だった。
花まる学習会のサマースクール「港町大作戦」
メグは年長の頃から、花まる学習会に通っている。夏と冬には合宿があって、今回の「港町大作戦」がたぶん7回目。
川遊び。焚き火。ライン下り。いろいろな体験をしてきた。
だから今回もきっと「大自然の中での体験」がいちばん印象に残るんだろうと、親としては思っていた。でも、小4の娘が選んだ1位は予想外のものだった。
帰ってきた娘の「楽しかったことランキング」を、記録しておこうと思う。
メグの楽しかったことランキング
第3位:人生初の流しそうめん
「流れてくるの、取るの難しいんだよ!」
帰ってきてから、何度も話してくれた。実はメグ、流しそうめんはこれが人生初。
ここで少し、親として反省した。
流しそうめんなんて、やろうと思えば家でもできたはずなのだ。夏は毎年やってくる。でも俺は、一度も準備しなかった。
娘の「初めて」をひとつ、合宿に先を越された。少し悔しい。でも同時に、ありがたい。
親が全部の経験を用意しなくても、子どもには子どもの世界で出会う「初めて」があるんだな、と思った。
第2位:金谷港の浜辺でシーグラス探し
千葉の金谷港の浜辺では、シーグラスや貝殻を探したそうだ。
波にもまれて角が取れたガラス片。大人が見たら、正直ただの小さなガラスだ。
でも帰ってきたメグは、小さな袋に入ったそれを、大事そうに見せてくれた。
「これ、きれいでしょ?」
その顔を見ると、こっちまで価値が変わってくる。
子どもにとっての宝物は、値段じゃない。見つけた時間と、そのときの気持ちごと、宝物になる。
第1位:お小遣い1,000円でのお買い物
そして堂々の1位が、まさかのお買い物。
合宿では、お土産屋さんで自由に使える1,000円のお小遣いがある。
メグが選んだのは、オコジョのキーホルダーと、千葉のご当地シール。合計、ほぼぴったり1,000円。
おい、買い物上手か。

帰ってきてすぐ「かわいいでしょ?」と見せてくれて、そのまま合宿バッグに付けていた。きっとこれから、このオコジョを見るたびに港町の2泊3日を思い出すんだろう。
1,000円で買ったのは、キーホルダーだけじゃない。「自分で悩んで、自分で選んだ」という経験そのものだったんだと思う。
残念だったこともある
もちろん、全部が予定通りだったわけではない。
天気が少し崩れて、楽しみにしていたスイカ割りと夜の花火は中止。これは素直に残念だったらしい。日中は日中で暑くて、町を歩いて探検するのはなかなか大変だったと言っていた。
そして、帰りのバス。
メグは「面白い話をしてくれる先生がいるのかな」と期待していたら、実際はDVD上映だった。しかもメグは、少し車酔いしやすいタイプ。画面を見るわけにもいかず、ひたすら酔わないように耐えていたそうだ。それはつらい。
これから参加を考えている方へ、ひとつだけ実用情報を。車酔いしやすい子には、帰りのバス用に酔い止めを持たせておくと安心です。
父が唸った、花まるの「班」の設計
毎回思うことがある。花まるの合宿は、同じ教室の友だちとは同じ班にならないように組まれている。
今回メグが入った班は、1年生から6年生までの7人。メグは4年生で、ちょうど真ん中の立場だった。
「誰と仲良くなったの?」と聞くと、
「1年生の子と5年生の子!」
3人でずっと話していたらしい。
初対面で、学年もバラバラ。その中で自分の居場所を作って、楽しんで帰ってくる。大人だって、初対面ばかりの懇親会は緊張するのに。
それを自然にやってのける娘に、少し成長を感じた。
思わぬ副作用。人参と大根を食べ始めた
もうひとつ、驚いたことがある。
メグは少し好き嫌いがあって、人参や大根はあまり得意じゃなかった。それが帰宅後、「ちょっと食べてみようかな」と言い出した。
合宿では、みんなで同じご飯を食べる。周りの子が普通に食べている姿を見て、何か感じるものがあったのかもしれない。
親が100回「食べなさい」と言うより、同じ班の子が黙って食べている姿のほうが響く。
これはもう、親の完敗である。
年長から「知らない人と2泊」できるということ
ふと、自分の子どもの頃を思い出した。
初めてのお泊まりは小4くらいで、しかも友だちの家。知らない人たちとの宿泊なんて、小6の林間学校が最初だった。
メグは年長の頃から、毎年こうして外に泊まりに行っている。そして今回も、帰ってくるなり言った。
「来年も絶対行きたい!」
「あと2泊くらい余裕だった」とも。
送り出す朝は、毎回少しだけ寂しい。でも帰ってきた娘を見ると分かる。少しだけ、自分でできることが増えている。
その差分を見るたびに、行かせてよかったなと思う。
6万円を払う価値はあるのか
2泊3日で、約6万円。冷静に考えると、決して安くはない。
でも、娘が今回持ち帰ったものを並べてみる。
人生初の流しそうめん。浜辺で見つけたシーグラス。1,000円を真剣に悩んで選んだオコジョ。学年を超えた友だち。そして、人参と大根への小さな挑戦。
並べ終わる頃には、来年の申し込みのことを考えていた。
「物より体験」という言葉がある。でも今回、思った。
買っているのは、体験そのものじゃない。その体験を通して、少し成長した子どもの姿なのかもしれない。
ちなみに娘が2泊している間、残った俺たちも、こっちで1泊のお出かけをしてきた。娘は2泊、俺たちは1泊。お互いさまの、それぞれの夏。いい思い出になった。
※参加費やプログラム内容は2026年夏時点・我が家の場合です。最新情報は花まる野外体験の公式サイトでご確認ください。

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