夏休み。今年は、娘のメグがちょっと暇を持て余していました。
最初のうちは「今日はDVDでも見る?」「どこか行く?」なんてやっていたんですが、毎日そればかりというわけにもいかない。
そんな中、あるものをきっかけに、わが家でちょっとしたブームが起きました。
パズルです。
そして、そのパズルがきっかけで、僕にとってちょっとエモい出来事がありました。
きっかけは、シマエナガのパズル
少し前、メグがおばあちゃんと出かけたときに「これ欲しい」と買ってもらったのが、シマエナガのパズル。200ピースくらいだったと思います。
ただ、シマエナガって……白いんですよ。めちゃくちゃ白い。当然、パズルも白い。
「これ、難しくない?」と言いながら、妻とメグと僕の3人で少しずつ進めていきました。
「この辺かな?」「いや、違うな」「白すぎて分からん(笑)」
なんて言いながら、なんだかんだで完成。200ピースとはいえ、ちゃんと完成すると気持ちいい。メグも「パズル楽しい!」となったわけです。
すると妻が、あるものを取り出しました。
妻が取り出したのは、美女と野獣
「じゃあ、メグちゃん。これやってみる?」
そう言って出てきたのが、『美女と野獣』の1000ピースパズル。
1000ピース。いきなり難易度が上がりすぎじゃない?
でも、このパズル。僕にとっては、ただの1000ピースパズルではありませんでした。
これ、13年前に僕が買ったやつだ
このパズル、実は僕が妻にプレゼントしたものなんです。
13年前。まだ僕たちが結婚する前の頃。
妻が「美女と野獣」が好きで、しかもパズルも好きだと知っていた僕は、「これ、いいんじゃない?」と誕生日プレゼントとして贈りました。

たしか、結構喜んでくれたと思います。
……ただ。その後、一度も完成していません。
いや、正確には「やってくれなかった」。
僕も今でも覚えています。「これ、やらないの?」みたいなことを言ったら、妻は「結構大きいし、場所も取るから、今はできない」と。まあ、たしかに1000ピースですからね。広い場所が必要です。
そしてそのときに、「子どもができたら、一緒にやりたいね」みたいな話をしていたんです。
そして、13年後
それから13年。まさか本当に、その日が来るとは。
夏休みで暇を持て余していた娘が、200ピースのパズルを完成させた。「じゃあ、これやってみる?」と妻が出してきたのが、13年前に僕がプレゼントした『美女と野獣』。
そして、妻と、娘と、僕の3人で、1000ピースのパズルを始めました。
なんだろう。こういうの、すごくないですか。
13年前の自分は、そんな未来になるなんて全然想像していません。ただ「妻が美女と野獣好きだから」「パズル好きだから」という理由で買っただけ。
それが13年後、自分たちの娘と一緒に、そのパズルを囲んでいる。
1000ピース、めちゃくちゃ難しい
ちなみにこれ、1000ピースの中では比較的簡単な部類らしいです。
……いや。普通に難しい。
僕はそんなにパズルをやらないし、メグはまだ子ども。なので、どうしても妻が中心になります。
「これはこっちだな」「この辺は同じ色だから……」と、妻がゴリゴリ進めていく。たぶん8割くらい妻がやったんじゃないでしょうか。僕とメグは、それぞれ1割くらい。
メグの主な仕事は、お手伝い係です。「端のピース探して」「赤いピース集めて」「青いピースは?」とお願いすると、せっせと探して届けてくれる。途中からは「お城の部分、完成させてみて」「美女のところ、一人で頑張れる?」と、担当エリアを任せたりもしました。
13年前のパズルに、娘の担当箇所ができていく。それだけで、なんか良い。

3人で「これどこだ?」「これじゃない?」「違う違う(笑)」なんて言いながら、一つずつピースをはめていく。途中で休憩したり、その日は完成せず翌日に持ち越したり。結局、全部で5〜6時間くらいかかったんじゃないでしょうか。
そして――
完成しました
最後のピースをはめて、完成。

いやあ、よかった。
たかがパズル。そう言ってしまえば、それまでなんですけどね。
でも僕にとっては、ちょっと違いました。13年前に僕が妻に贈ったものを、13年後に、妻と、娘と、3人で完成させた。
そう思うと、なんとも言えない気持ちになります。
まだ額には入っていません
このパズル、まだ額がありません。なので完成した状態のまま、僕の部屋の端っこに置いてあります。
ちょっと邪魔なんですけどね(笑)。でも、しばらくはこのままでいいかなと思っています。見るたびに「これ、13年前に買ったんだよな」と思えるから。
13年前の自分に「そのパズル、13年後に娘と一緒に完成させるぞ」って教えてあげたい。たぶん、そんなこと言われても信じないでしょうね。
「子どもができたら一緒にやりたい」が、本当になった
13年前に妻が言っていた「子どもができたら一緒にやりたいね」という言葉。当時は、ただの未来の話でした。
でも、その未来が本当にやってきた。しかも、娘が「パズルやりたい」と言い出したことがきっかけで。
人生って、こういうところが面白いなと思います。
大きな出来事じゃない。旅行でもない。高価なものでもない。ただ家の中で、3人でパズルをしていただけ。
でも、13年前の自分と、今の自分が一本の線でつながったような気がしました。
13年前に妻へ贈ったパズルを、13年後に娘と3人で完成させる。
なんか、いい夏休みだったな。完成したパズルを眺めながら、そんなことを思いました。
次は……額を買わないとな。
今度は13年も待たせないように(笑)。

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