リョウは重度の知的障害があって、発語がない。当時6歳。発達はゆっくりだ。
最初に書いておきたいのは、うちは毎日ちゃんと笑って暮らしてる、ということ。悲壮感でこの記事を書くつもりはない。でも、きれいごとだけ並べても同じ立場の人には届かない。だから正直に「これはしんどい」と思う瞬間を、3つだけランキングにする。しんどさを見せることが、たぶん、いちばんの励ましになると思うから。
第3位 強いこだわりと、崩れたときの癇癪
リョウには、譲れない順番や形がある。いつもの道、いつもの皿、いつもの手順。そこが崩れると、スイッチが入ったように泣く。食べ物のこだわりも強くて、受けつけないものはとことん受けつけない。理由を言葉で説明してくれないぶん、こっちは毎回「何が引き金だったのか」を探すことになる。
外だと、それが「しつけのなってない親」みたいな視線とセットで来る。あの視線は、正直、今でも慣れない。──でも、こだわりって裏返せば「この子なりの秩序」でもある。そこを壊さずに、少しずつ幅を広げてやる。うまくいった日は、こっちがガッツポーズしたくなる。
第2位 ゆっくりな発達と、言葉のない会話
いまの発達は、だいたい2歳前後。指差しも、アイコンタクトも、当たり前じゃない。同い年の子がペラペラ話すのを見て、ぐっと来ないと言えば嘘になる。姉のメグが同じ歳のころは、もう一丁前に口答えしてた。比べちゃいけないと分かってても、ふとした瞬間に比べてしまう自分がいる。
それでも──リョウが「すすす」みたいな音で何かを伝えようとしてくれた瞬間、その一音に、こっちは泣きそうになる。言葉のない会話にも、ちゃんと会話はある。それが分かってから、焦りが少しだけ軽くなった。
圧倒的第1位 果てしない睡眠不足
ぶっちぎりの1位は、これ。睡眠不足だ。夜中に何度も起きる。明け方に活動を再開する。寝かしつけに何時間もかかる日がある。「今日も寝ない怪獣、23時」──これはもう、うちの合言葉みたいなものだ。
親の睡眠が削られ続けると、体力より先に、心が音を上げる。正直に言えば、逃げ出したくなった夜が、なかったとは言わない。それでも朝が来て、リョウのあの寝起きの顔を見ると、また一日やれる気がしてくる。単純だなと自分でも思う。でも、その単純さで、たぶん親はもっている。
しんどさの隣に、ちゃんと幸せがある
3つ挙げたけど、これを読んで「大変そう」だけで終わってほしくない。しんどさは本物だ。でも、その隣に、同じ大きさの幸せがちゃんとある。言葉のない「ありがとう」も、癇癪が起きなかった一日も、久しぶりに眠れた朝も、全部ごほうびみたいに光る。
同じように、今まさに眠れていない親がいたら──「大丈夫」とは軽々しく言えないけど、少なくとも、ひとりじゃないです。うちも、今夜たぶん、また起こされます。


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