※この記事にはアフィリエイト広告(楽天等)を含みます。我が家で本当に使って、本当に助かったものだけを書きます。
わが家の玄関には、スマートロックのQrio Lock(キュリオロック)が付いています。
ただし、普通の家とはちょっと違う場所に。
大人の私でも、手をぐっと伸ばさないと届かない高さです。
なんでそんな変な位置に付いているのか。今日はその話をさせてください。
最初はただ「便利だから」だった
導入した理由は、本当にシンプルでした。
子育て中って、玄関の前に立ったとき、だいたい両手がふさがってるんですよ。
片手で抱っこ、もう片手に買い物袋。娘のメグの手を引いている日もある。
その状態でバッグの底から鍵を探す時間の、あの絶望感。
Qrio Lockなら、スマホを持って近づくだけでカチャッと開く。
「もう鍵を探さなくていい」——それだけで十分、導入する価値がありました。
このときはまだ、この鍵がわが家にとってもっと大事な意味を持つなんて、思ってもいませんでした。
息子は、鍵の開け方を「見て」覚えた
息子のリョウには、重度の知的障害があります。言葉はほとんど出ません。
でもあいつ、人の行動を見る力だけは本当に鋭いんです。
親が玄関でどう手を動かしているか、ずっと見ていたんでしょうね。いつの間にか、鍵の開け方を覚えていました。
しかも身長は同年代の子と変わらないから、サムターン(内側のつまみ)に普通に手が届く。
届く。開けられる。出ていける。
気づいたときには、オートロックすらガチャッと解除して外に出られるようになっていました。

正直、「そこは覚えなくていいんだよ」と苦笑いしたのを覚えています。
でも、笑いごとで済まなくなる日が来ました。
あの日のことは、今も指先が冷たくなる
情けない話をします。
ある日、私がリョウを見ている番のときでした。
ほんの一瞬、うたた寝をしてしまったんです。
目を覚ますと、リョウがいない。玄関の鍵が、開いている。
血の気が引く、という言葉がありますが、あれは比喩じゃないんですね。本当に体温が下がる感じがしました。
妻と二手に分かれて、公園、駅、思い当たる場所を走って探しました。
走りながら、頭の中は「なんで寝た」「なんで寝た」の繰り返しでした。
そのとき、ふと思い出したんです。
——リョウ、西松屋が好きだったな。
家から徒歩5〜6分の西松屋に駆け込むと、いました。
レジの前で、ぴょんぴょん跳ねながらご機嫌なリョウが。
へなへなと力が抜けました。
でも、うちの前の道は普通に車が通ります。一歩間違えば轢かれていたかもしれない。誰にも見つけられない場所に歩いていったかもしれない。
あの日は、たまたま運が良かった。それだけなんです。
「次も運が良い」なんて保証は、どこにもない。
鍵屋さんと出した答え:「届かない高さ」に鍵を増設する
Qrio Lockは便利です。でも、息子が自分で開けられるなら意味がない。
かといって、外出のたびに神経をすり減らす生活も続かない。
いろんな鍵屋さんに相談して回りました。そして辿り着いた答えが——
ドアの高い位置に鍵をもうひとつ増設して、そこにQrio Lockを付ける。
ドアに新しく穴を開ける工事をして、私でもかなり手を伸ばさないと届かない高さに、新しい鍵を取り付けました(※わが家は持ち家です。賃貸の方はドア加工の可否を管理会社に確認してくださいね)。

今のわが家の運用はこんな感じです。
- 私と妻:スマホのBluetooth連携で、帰宅すると自動で解錠。手ぶらでOK
- 娘のメグ:リモコンキー「Qrio Key S」を持たせています。ボタンひとつで開け閉めできて、帰宅時はハンズフリー解錠。高い位置の鍵でも不自由なし
- 息子のリョウ:椅子を使っても物理的に届かない。キーも持っていない。内側から開ける手段がない
家族の誰も不便になっていないのに、リョウだけは出られない。
この設計に辿り着いたとき、久しぶりに枕を高くして眠れた気がしました。
【2026年7月追記】この記事を書いたあとに調べて知ったのですが、Qrio Lockは現在、公式に販売終了しています(サポートは継続中で、わが家のものも今日も現役です)。新品はもう手に入らないため、これから同じ仕組みを作るなら、現行品のSwitchBot ロックProが候補になります。子ども用には指紋認証パッドを組み合わせれば、わが家のメグが使っているリモコンキーの役割を「指紋」が代わってくれます。「届かない高さに付ける」という考え方自体は、どのスマートロックでも同じです。
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Qrio Lock自体も、中古なら今も手に入ります。
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それでも残している、二つの「保険」
実はわが家の玄関、Qrio Lockだけじゃありません。

写真の通り、今もこの二つが現役で動いています。
- 保険その1:ドアが動くと鳴る鈴(写真の金色のやつ)。ドアがわずかでも動けば、チリンと音がする。原始的だけど、電池切れもWi-Fi障害もない最強の見張り番です
- 保険その2:ドアが開くとリビングでチャイムが鳴る開閉センサー(写真の白いやつ)。玄関が見えない場所にいても、開けば必ず気づける
Qrio Lockで「そもそも開けられない」。万が一開いたら、鈴とチャイムで「即座に気づく」。
ここまでやるか、と思われるかもしれません。
でも、あの日の「目が覚めたらいない」をもう一度味わうくらいなら、鈴の一つや二つ、安いものです。
「頑張って気をつける」をやめた
それまでも補助錠などの対策はしていました。
でも人間なので、かけ忘れる日があるんです。疲れてる日、寝不足の日、どうしてもある。
そして「うっかり」と「リョウの好奇心」が重なった日が、あの西松屋の日でした。
Qrio Lockのオートロックは、そこが違いました。
ドアが閉まれば、勝手に鍵が掛かる。私の気合いも注意力も関係なく、掛かる。
導入してから今日まで、玄関のQrio Lockが掛かっていなかった場面を、私は一度も見たことがありません。
親の「気をつける」には限界がある。だから、うっかりしても大丈夫な仕組みのほうに守ってもらう。
わが家にとってそれが、「高い位置のQrio Lock」でした。
外から守る鍵は山ほどある。でも「中から」は——
今回いろいろ調べて、気づいたことがあります。
オートロック、二重ロック、防犯カメラ、センサーライト。世の中の玄関の対策は、ほぼ全部「外から入られない」ためのものなんです。
「中から出ていってしまう」を防ぐものは、驚くほど少ない。
当たり前なんですよね。普通は、家から出るのを不便にする理由がないから。誰でもワンタッチで出られるのが「親切な設計」なんです。
でも、その親切な設計が、うちみたいな家庭には牙をむく。
自閉症や知的障害のあるお子さんの飛び出し。認知症のご家族の徘徊。
「気づいたら外に出ていた」という恐怖を抱えて暮らしている家庭は、きっとわが家だけじゃないはずです。
おわりに
もし同じ不安を抱えているなら、「鍵を増やす」より先に、「届かない場所に付ける」という発想があることを知ってほしくて、この記事を書きました。
親身な鍵屋さんに相談すれば、家の構造に合わせた方法を一緒に考えてくれます。
わが家はもう、玄関のことで神経をすり減らしていません。
リョウは今日もご機嫌に家の中を歩き回っているし、私はうたた寝しても大丈夫になりました。……いや、しないように努力はしてますけどね。
それでも、ふとした夜に思い出すんです。
レジの前でぴょんぴょん跳ねていた、あの日のリョウを。
あの跳ねてる姿が「かわいい」じゃなくて「恐怖」だった日を、二度と迎えないために。
わが家の鍵は、今日も高いところで静かに掛かっています。
※この記事はわが家の体験談です。お住まいの構造や状況によって最適な方法は異なります。施工は鍵の専門業者にご相談ください。
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